学部選びですが、大学選びよりもこちらのほうが大事だし、難しい問題です。このことについては、必ず意見が親と子供は違ってきます。母親と父親、本人、妹それぞれ違うものです。極端なことを言えば、食事の好みぐらい違ってくるでしょう。カレーがいい人、おそばがいい人、うどんが好きな人、みんなそれぞれです。ただ、学部選びは食べ物を選ぶのと違って、本人の将来と家族の将来がかかっている重大なことですから、場合によっては、この話し合いのために、以後、親子がロをきかなくなることだってあるわけです。たとえば、息子が○○美大のデザイン科へ進みたいと言う。国立大の経済学部を出て銀行に勤めている父親は、「デザイン科って何だ、そんなわけのわからない学校へ行くのなら学資は出さん」と怒るかもしれません。「どこでもいいから経済学部へ入ってくれ」と言うかもしれません。しかし、時代が違うのです。
語彙とは使える単語量のことで、語彙が多いに越したことはありません。極端に語彙が少ないと課題文中の不明語句が多くなり、子供の気力が失せてしまいます。それではどうすれば語彙が増えるのでしょうか?それは、読んでいる本の不明語句や読めない漢字を子供に質問させ、周囲の大人がその場で不明語句の意味を教えることです。普通は辞典引きが奨励されますが、子供は辞書を引いている間に読んでいる文章内容に対する集中力を失ってしまうことがあります。また辞書の説明内容を大人が解説しなければならない場合も少なくありません。結局、子供に辞書を引かせても大人の手間は一緒ですから、最初から大人が不明語句の意味を教えましょう。説明不能な場合は大人が辞書を引いてください。しかし「辞書引きは国語学習の基本」という考え方も当然あります。そこで子供に辞書引きをさせる場合は「辞書を引きなさい」というのではなく、子供が「面倒な辞書引きをしてでも文章内容を知りたい!」と思う本を与えましょう。たとえば、どうしてもクリアできないゲームの攻略本を入手した子はなんとしても文章内容を理解しようとします。こういう場合は辞書引きなどはまったくいといません。自主的な辞書引きにはこのような強烈な動機が必要ですから、親は子供の興味や関心をかきたてる対象を見抜き、これに関連する書物を与えることが先決です。
多くの経験を積んでいる大人に、勉強という言葉は似合わないという意見もあります。しかし、ほんとうに勉強が必要なのは現役時代であって、その時期にブラッシュアップをすることで、より仕事の内容が豊かでレベルが高いものになるのです。いうまでもなく、大人が勉強する理由はそれぞれです。しかし、社会人以前と違って目的や課題が漠然としていることが多いといえます。社内の昇進試験とかキャリアアップ、さらに資格試験など、目的がはっきりしたものも少なくありませんが、それで区切りがつくわけではありません。人生というマラソンレースを念頭におけば、これらは通過点にすぎません。じつは、そこに大人の勉強のややこしさがあるのです。大人の勉強は、特定の目標をクリアするという目的をもつと同時に、その目標をクリアしても、「何のために勉強するのか」という非特定の目的意識をもちつづけるほうが長続きします。目標のゴールのテープを切れば一段落と考えるのではなく、そのあとの継続によって、その達成した目標を人生や仕事に生かすことに意味があるのです。このゴールが見えないマラソンレースを支えるには、「何のために勉強するのか」という理由をたえず確認しておくことです。