冠婚葬祭マニュアルに、性教育を入れなければならない理由もあった。小笠原流(を簡略化した自宅結婚式)では、なんと性交渉が儀式に組み込まれていたのである。式のラストを飾るのは「閏盃の式」である。昭和初期のマニュアルからその部分を拾ってみよう。総客の酒宴の中途で、婿は待女郎に案内されて嫁の部屋へ参ります。これより先に、介添女は新夫婦の寝床を布いて置きます。(中略)男は上座に、女は下座になるやうに寝床をとるやうにします。盃事は、夫婦の前に巻賜を載せた三方と、盃一個を載せた三方と銚子を出し、冷酒にて献々の盃事をするのであります。(中略)そこで酌人は退り、待女郎は夫婦を寝床に導きます。この際、婿は気を利かして手水に立つやうにします。その間に嫁を先に臥せられるのです。若しまた婿がその儲其処に居れば、附添の者は場合を計って寝られるやうに勧めて宜いのです。いづれにせよ、嫁の方は婿より先に寝るのが法ですが、場合に依っては婿が先になっても構ひません。嫁の介添女は次の間で臥せるのであります。(『日本婚礼式』)
かつて、大きな川が近くに流れている地域では、藁苞に間引きした子を入れて流すことがあった。その間引きした子のことを「苞子」と呼んでいた。川に流すことはあの世に送るという葬法である。川そのものがあの世と通底する境界であり、具体的には村の境が川であるという見方や、水がどこまでも流れているということも含めて、そこはあの世とこの世との境という潜在的な考え方が根強くあった。また「苞子」として川に流すのは、水で清めて浄土に送るという意識があったと見ることもできる。藁苞に入れられて川へ流された子は、鳥に突つかれたり、鯉などの餌になることもあるので、その外観だけを見れば水葬や風葬と見なすことも不可能ではない。またその感覚は境界点に死者を埋めるという発想と重なる部分もあるだろう。
古くから、ビジネス文書のまとめ方として「5W2H」を明確にすることが大切といわれてきた。この「5W2H」とは、「when=いつ」「where=どこで」「who=だれが」「what=なにを」「why=なぜ」「How=どのように」「Howmany=いくつ」という7つの項目だ。つまり、時間、場所、メンバー、目的、理由、方法、数をまとめることが、正確かつ簡潔にものごとを伝える基本とされていた。しかし、最近ではこれが「5W3H1R」といわれている。追加されたのは「Howmuch=いくら(価格)」、「Result=結果」だ。さらにコストと目指す結果を意識した情報整理法になったといえる。うっかりミスが多いという人に、仕事の指示をこの5W3H1Rに沿ってメモするよう指導したら効果はてきめん。上司が言ったつもりで抜けていたところに、「会場は○○でしたでしょうか」などとフォローまでできるようになったという。要素を漏らさす、きちんとメモをとる癖をつけよう。